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大阪地方裁判所 昭和40年(む)335号 判決 1965年8月16日

被疑者 永橋吉光

決  定

(被疑者氏名略)

右の者に対する強姦致傷被疑事件につき、昭和四〇年八月一六日大阪地方裁判所裁判官上田耕生がした勾留の裁判に対し検察官から準抗告の申立があつたので、当裁判所は次のとおり決定する。

主文

原裁判中「……昭和四〇年八月二〇日まで勾留することができる」と附記された部分を取り消す。

理由

本件準抗告申立の趣旨および理由は、検察官作成の準抗告申立書記載のとおりであるから、これを引用するところ、その要旨は、原裁判官は被疑者に対し、強姦致傷被疑事実につき昭和四〇年八月一六日勾留状を発布したが、該勾留状に「昭和四〇年八月二〇日まで勾留することができる」旨附記し、勾留期間を五日間に短縮したが、このような期間の短縮は刑事訴訟法第二〇八条第一項の趣旨に照らし違法であるから、右附記部分を取り消されたいというのである。

よつて按ずるに裁判官が同法第二〇七条第一項に基づき被疑者を勾留した場合、その勾留の請求がなされた日から一〇日以内に公訴の提起がなされなかった時には、検察官は直ちに被疑者を釈放しなければならない旨規定した同法第二〇八条第一項の趣旨に照らし、右一〇日の期間を勾留裁判官において自由に短縮することができないものと解するのが相当であるから、原裁判官が所論のごとき、期間短縮の趣旨を原裁判に附記したのは違法であるといわざるを得ない。従つて、本件準抗告の申立は理由があるから、同法第四三二条、第四二六条第二項に従い主文のとおり決定する。

(裁判官 河村澄夫 宇井正一 谷口敬一)

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